朝夕は秋の気配を感じられるようになりました。今年も介護支援専門員実務従事者基礎研修が始まりました ― 2014年09月03日 11時28分15秒
6月の施設ケアマネジメント研修、7月の主任介護支援専門員研修、8月の専門課程・更新研修、そして今月の基礎研修と毎月の研修でトレーナーとして関わるスタッフのみなさまに感謝します。8月研究会終了後の沖縄料理屋での暑気払いを兼ねた懇親会は大いに盛り上がり、久しぶりの活力の源になりました。
ところで、ケアマネジメントの研修で気がついたことなどについて、少し述べたいと思います。
1つめは、多くの人が「介護が必要になってから」のことに注目しがちになりますが、介護が必要となる前はどのような生活を営んできたかということに、もっと考えをめぐらすことが必要ではないでしょうか。それは、元気だった頃のことを懐かしんでいるなどと見ることではありません。もちろん、どのような活動をしていたかということなどは、本人や家族が現状を見るときにどのような思いでいるかと判断するうえで大切ですが、それだけではありません。例えば、家族介護が行き詰まってくるのは介護が大変だからでしょうか。そこには介護が必要になる前の家族関係なども大きな影響を及ぼしています。施設での面会や外出、一時帰宅なども、介護が必要になってからの生活だけでなく、介護が必要になる前の生活のあり方が大きく関係してきます。「〜だから、どのように介護に関わればよいのか」と「〜だから、介護できない」との分かれ道、「〜だから、私はどうすればよいのか」と「〜だから、私はこうする」との分かれ道について、家族のアイデンティティと家族一人ひとりの生活のあり方に目を向けてみるのはいかがでしょうか。
2つめは、「介護サービスを利用して生活する」とよくいいますが、介護サービスを利用していないときは何をしているのかということについて、もっと関心を持って欲しいということです。介護サービスが目的化してしまっていないでしょうか。手段を目的化することは本末転倒です。もちろん、「安心できるように」とか「清潔保持のため」というような理由はついていますが、本人や家族の生活に対する動機づけ、意欲につながったサービスとなっているのでしょうか。介護サービスを利用していないときは寝ていたり、テレビをボーッと見ている(?)などというのであれば、その人の生活は充実したものになっていくのでしょうか。
3つめは、本人と家族、ケアマネジメント担当者、サービス担当者も「将来像」をどのように描いているのでしょうか。人は生活に対する動機づけにあたっては、将来の生活の姿、あり方を描くことで、具体的な行動として結びつけるための条件などを見つけることができます。「やってみなければわからない」とか漠然とした抽象的な安心感や安全観では、実際にとる行動は見えにくいものです。どのような行動をとれば、どのようなサービスを使えば、具体的にどのような日々の生活になり、それぞれの活動に向かうことができるかということを「映像として」描けるように、細々としたことにも目を向けることが必要です。具体的な映像化は本人任せ、家族任せでは、人生を大切にした将来像を描きにくくなります。
「どのようになりたいのか」という目標を現実のものにして行くには、ケアマネジメント担当者やサービス担当者が「見通し」をもって将来像を描くことから始めることではないでしょうか。
それでは、9月と10月の研究会についてお知らせします。
1)研究会日時
9月研究会: 9月27日(土)午後1時30分~午後4時30分
10月研究会: 10月25日(土)午後1時30分~午後4時30分
会場は、午後1時から5時まで使用できます。
2)研究会会場
CHUTOホール 803
〒460-0008 名古屋市中区栄4丁目16番29号 中統奨学館ビル
会議室連絡先 Office Park NAGOYA(090-9905-7460)
地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車後、栄駅13番出口より南へ徒歩5分
アクセスマップ http://www.chuto.co.jp/hall/chutomap.gif を参照するか、会場(中統奨学館)またはオフィスパークナゴヤのHPをご覧ください。
3)研究会内容
(1)ケアマネジメント事例研究と事例研究を基礎としたスーパービジョン
(2)対人援助やコミュニティ・ケア、制度に関する勉強会
(3)その他
4)参加対象
コミュニティ・ケアやケアマネジメントに関わっているケアマネジャーやサービススタッフ、研修スタッフなどです。
ご自身のスーパービジョンや事例研究を希望される方は、「事例」をご持参(写しを2部)ください。
ところで、ケアマネジメントの研修で気がついたことなどについて、少し述べたいと思います。
1つめは、多くの人が「介護が必要になってから」のことに注目しがちになりますが、介護が必要となる前はどのような生活を営んできたかということに、もっと考えをめぐらすことが必要ではないでしょうか。それは、元気だった頃のことを懐かしんでいるなどと見ることではありません。もちろん、どのような活動をしていたかということなどは、本人や家族が現状を見るときにどのような思いでいるかと判断するうえで大切ですが、それだけではありません。例えば、家族介護が行き詰まってくるのは介護が大変だからでしょうか。そこには介護が必要になる前の家族関係なども大きな影響を及ぼしています。施設での面会や外出、一時帰宅なども、介護が必要になってからの生活だけでなく、介護が必要になる前の生活のあり方が大きく関係してきます。「〜だから、どのように介護に関わればよいのか」と「〜だから、介護できない」との分かれ道、「〜だから、私はどうすればよいのか」と「〜だから、私はこうする」との分かれ道について、家族のアイデンティティと家族一人ひとりの生活のあり方に目を向けてみるのはいかがでしょうか。
2つめは、「介護サービスを利用して生活する」とよくいいますが、介護サービスを利用していないときは何をしているのかということについて、もっと関心を持って欲しいということです。介護サービスが目的化してしまっていないでしょうか。手段を目的化することは本末転倒です。もちろん、「安心できるように」とか「清潔保持のため」というような理由はついていますが、本人や家族の生活に対する動機づけ、意欲につながったサービスとなっているのでしょうか。介護サービスを利用していないときは寝ていたり、テレビをボーッと見ている(?)などというのであれば、その人の生活は充実したものになっていくのでしょうか。
3つめは、本人と家族、ケアマネジメント担当者、サービス担当者も「将来像」をどのように描いているのでしょうか。人は生活に対する動機づけにあたっては、将来の生活の姿、あり方を描くことで、具体的な行動として結びつけるための条件などを見つけることができます。「やってみなければわからない」とか漠然とした抽象的な安心感や安全観では、実際にとる行動は見えにくいものです。どのような行動をとれば、どのようなサービスを使えば、具体的にどのような日々の生活になり、それぞれの活動に向かうことができるかということを「映像として」描けるように、細々としたことにも目を向けることが必要です。具体的な映像化は本人任せ、家族任せでは、人生を大切にした将来像を描きにくくなります。
「どのようになりたいのか」という目標を現実のものにして行くには、ケアマネジメント担当者やサービス担当者が「見通し」をもって将来像を描くことから始めることではないでしょうか。
それでは、9月と10月の研究会についてお知らせします。
1)研究会日時
9月研究会: 9月27日(土)午後1時30分~午後4時30分
10月研究会: 10月25日(土)午後1時30分~午後4時30分
会場は、午後1時から5時まで使用できます。
2)研究会会場
CHUTOホール 803
〒460-0008 名古屋市中区栄4丁目16番29号 中統奨学館ビル
会議室連絡先 Office Park NAGOYA(090-9905-7460)
地下鉄東山線・名城線「栄」駅下車後、栄駅13番出口より南へ徒歩5分
アクセスマップ http://www.chuto.co.jp/hall/chutomap.gif を参照するか、会場(中統奨学館)またはオフィスパークナゴヤのHPをご覧ください。
3)研究会内容
(1)ケアマネジメント事例研究と事例研究を基礎としたスーパービジョン
(2)対人援助やコミュニティ・ケア、制度に関する勉強会
(3)その他
4)参加対象
コミュニティ・ケアやケアマネジメントに関わっているケアマネジャーやサービススタッフ、研修スタッフなどです。
ご自身のスーパービジョンや事例研究を希望される方は、「事例」をご持参(写しを2部)ください。
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