福祉と介護のマネジメント研究会

　介護が必要になるということは本人にとってどのような意味があるでしょうか。
　身体機能の支障で寝たきりなどになるというのであれば、日常生活のサポートが必要になってきたということを自覚せざるを得なくなります。行動などにも制約が生じてきて、自分が思うように活動できなくなるなど、周囲からも分かるようになってきます。
　しかし、認知症などの場合はどうでしょうか。病状の進行状況を自覚しているかどうかということを議論するつもりはありません。
　本人が自分の戸惑いや自分をとりまく状況にどのように対処しているかは、周囲の人にはなかなか分かりません。そのため、周囲の人や援助者は何をサポートすればよいかという視点になりにくいということになってしまいます。また、本人は自分が適応行動をとろうとしても思うようにならないことに対して、他の人が介入することは自分の現状に否が応でも向き合わざるを得ないので、却って他の人の関与に拒否的、否定的、あるいは、そもそも自分はそのようなことをする意向はないと自分の行動そのものを否定するような応待となることがあります。
　本人が何をしようとしているのか、それに対して具体的にどのような行動をとっているのか、そして、とった行動をどのように思っているのかについて、考えをめぐらせ、思いを寄せることはとても大切なことです。
　介護など対人援助の場面（カンファレンスの場などでも）には、利用者主体、自立支援、「利用者の立場に立つ」、「寄り添う」など様々な言葉があふれています。どのような具体的行動をとれば、それらを実行していることになるのでしょうか。
　相手を「自分の側に引き寄せて」その人の行動を判断すること（ex.このような態勢をつくっているのに・・・、本人を受け入れているのに・・・など）では、あくまでも本人の側で考え、理解しているのではありません。まず、「なぜ」という素朴な疑問から出発して、本人の行動と行動の源などを「知る」ことから始めることが大切と思います。「そうだったのか」という認識を持てるようにするには、本人の小さな小さな行動や、毎日の活動・行動の中に本人が何を喜びにしているのかを探し、見つけ、本人と確認し合っていくことを考えてはいかがでしょうか。

　１２月以降の研究会については、先にお知らせしていますが、１２月研究会と１月研究会の終了後に、懇親会を予定しています。
参加希望者は、できるだけ事前にご連絡下さい。

＜１２月研究会＞
日時：　１２月１７日（土）１３：３０〜１６：３０
　　　　会場は１３：００〜１７：００使用です。
会場：　CHUTOホール605　　※いつもと部屋の階が違います！

＜１月研究会＞
日時：　１月１４日（土）１３：３０〜１６：３０
　　　　会場は１３：００〜１７：００使用です。
会場：　CHUTOホール803