面接の基本を考えてみましょう2018年09月03日 17時06分34秒

9月になって朝夕は秋風を感じられるかなと思っていたら、相変わらず暑い日が続きます。例年であれば、我が家の前の桜並木に留まっている蝉はお盆頃にはアブラゼミやヒグラシからツクツクボウシになっているのですが、今年は、先週の月曜日にピタッと鳴き声がやみました。この暑さで、蝉も主役交代が上手くできなかったのでしょうか。

8月もなぜか慌ただしく過ぎてしまったので、9月は部屋の片付け、書籍の整理などを絶対にやらなければと思っているのですが・・・。

ところで、この数回にわたりお話ししてきた対人援助の展開においては面接が重要です。その面接の際に、クライアントがどのように自己表現するかということと、自分がどのように自己表現するかということにより、面接の展開が大きく変わっていきます。
援助者が自分の主張(自分の聞きたいことも含む)を前面に出せば、クライアントは閉ざすか衝突する結果になってしまいます。知りたいことがたくさんあると聞き手主導の面接になりやすいし、早く情報を聞き出したいと矢継ぎ早に質問を浴びせかけるようなことになってしまいます。特に、次の面接予約の時刻が迫ってくると、面接を早く終わらせたいという意識が働きいてしまいます。
もちろん、時間をかければよいというものではありませんが、クライアントの感情面・情緒面のサポート(支持)を大切にして、クライアントが自分の思いを語れるように心がける必要があります。F.バイステックは「いかなる問題も、それが物質的援助や有形のサービスを求めている場合でも、そこには深く情緒的要素が関わっていると理解している」 といっています。

クライアントの自己表現を促し、行動変容につなぐ「ミラクル・クエスチョン」などを上手く使うことも考えられます。私が講義でよくおはなしする「目標指向」や「3Vの法則」も同様の手法といえます。「問題が解決した」ときのイメージを描き、自分はどうなりたいのかを明らかにしていきます。
このことにより、クライアントも援助者も「問題」にフォーカスするのではなく、「解決・実現」にフォーカスしていくのです。「問題が解決した状態=自分がありたい姿・状態」を意識すると、自分がどうすればよいかが見えてきます。クライアントが「自分は何をするか」を選択できるように問いかけをするうえで、自分はクライアントに対して情緒的な支持をしているか考えてみましょう。

9月以降の研究会の日程をお知らせします。

<9月研究会>
日時: 9月15日(土)13:30〜16:30
    会場は13:00〜17:00使用です。
会場: CHUTOホール804

<10月研究会>
日時: 10月13日(土)13:30〜16:30
    会場は13:00〜17:00使用です。
会場: CHUTOホール804

<11月研究会>
日時: 11月17日(土)13:30〜16:30
    会場は13:00〜17:00使用です。
会場: CHUTOホール804