私たちの使命とは ― 2020年03月19日 23時24分25秒
世界中が震撼する状況になって1か月余、日本政府と世界各国政府の対応は大きく異なっているようです。疫学的対応でも判断が分かれる状況にあって、権力維持を志向する政治対応か、それとも住民生活維持を志向する政治対応かという単純な割り切り方では説明つかない動きの背景には、それぞれの国民の「権利」や「国」「社会」に対する意識が大きく透けて見えます。第二次世界大戦前と同じような同調圧力を感じている人もいますし、社会や生活のあり方を見直す機会と考える人もいたり、「未知への恐怖」が及ぼす大きな影響について社会学、哲学、社会心理学上も考えられることが多くあります。
ところで、この騒ぎの中で余り取りあげられなかったことが多くありました。その中の一つは、25年目となる1995.1.17阪神淡路大震災、二つ目は9年目となる2011.3.11東日本大震災です。その他にも多くのことが新型コロナ関連ニュースの陰に隠れてしまいました。
私は、二つの大震災が日本だけでなく、世界の保健・医療・福祉やその他の学際的研究(工学、政治、哲学などあらゆる分野での接点を含む)にとても大きな影響を与え、現在に至っていることを改めて思いおこしています。
その政治や社会のざわめきの中にあって、1月18日〜2月8日の全4回でNHK土曜ドラマ「心の傷を癒やすということ」が放映されました。ドラマですが、PTSD研究を切り開いた安克昌医師(ドラマでは安和隆医師)の実話が織り込まれていて、放送だけでなく録画を何度も繰り返し見ることになりました。20年以上前に手に取った原著は感銘を受けたものの、臨床の場で医師という立場で関わる者と臨床の場にあっても医師ではない者としての立場で関わることの差異を少し感じていましたが、改めて読み返すとともに、「新増補版」として再刊された本「心の傷を癒やすということ」を購入してしまいました。(原著になかった著述や追悼の辞などが掲載されているということだったので)現在は矮小化されやすい「心のケア」ということに対して、本当はこういうことなんだという生々しさをある意味淡々と記していることに、かえって対人援助の臨床の本質を見たような気がしました。そして、不覚にも何度も泪を落としてしまいました。
ドラマでは、主人公の安和隆(柄本佑)が「心の傷を癒やすということ・・・誰も独りぼっちにさせへん、てことや」と呟く場面がありました。原著にはないのですが、まさに、そのとおりというセリフでした。
介護が必要になっている人、その家族、それぞれが直面している生き辛さや困難に対して、私たちは何をすればよいのでしょうか。
介護サービスを適当に組み合わせて報酬化するということを誘導しているように思える現状の政策にあっても、私たちの使命は、人々の絶望を希望に、そして、希望を光にしていくことではないでしょうか。
私は忘れていないよ、想っているよ、そばにいるよという応答を、私たちは大切にしていかなければならないと思っています。
みなさんと共にいることで、50年前に私自身が旅立った原点を忘れないようにしてくれていると感謝しています。
ところで、新型コロナウィルス対応については、今までは非日常でしたが、今後はこの感染症がある生活が日常となっていきます。「未知への恐怖」に右往左往するのではなく、専門的知見をもって対応していかなければなりません。
研究会については、行政措置により会場が使用できないことがあれば、ブログまたはグループLINEでお知らせしますが、冷静に対応していきたいと思います。
<4月研究会>
日時: 4月4日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<5月研究会>
日時: 5月16日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第2研修室(3階)
<6月研究会>
日時: 6月20日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第2研修室(3階)
<7月研究会>
お休みです。
<8月研究会>
日時: 8月1日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<9月研究会>
日時: 9月19日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<10月研究会>
日時: 10月17日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<11月研究会>
日時: 11月14日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<12月研究会>
日時: 12月12日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<2021年1月研究会>
日時: 1月16日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<2021年2月研究会>
日時: 2月13日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<2021年3月研究会>
日時: 3月20日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(3階)
ところで、この騒ぎの中で余り取りあげられなかったことが多くありました。その中の一つは、25年目となる1995.1.17阪神淡路大震災、二つ目は9年目となる2011.3.11東日本大震災です。その他にも多くのことが新型コロナ関連ニュースの陰に隠れてしまいました。
私は、二つの大震災が日本だけでなく、世界の保健・医療・福祉やその他の学際的研究(工学、政治、哲学などあらゆる分野での接点を含む)にとても大きな影響を与え、現在に至っていることを改めて思いおこしています。
その政治や社会のざわめきの中にあって、1月18日〜2月8日の全4回でNHK土曜ドラマ「心の傷を癒やすということ」が放映されました。ドラマですが、PTSD研究を切り開いた安克昌医師(ドラマでは安和隆医師)の実話が織り込まれていて、放送だけでなく録画を何度も繰り返し見ることになりました。20年以上前に手に取った原著は感銘を受けたものの、臨床の場で医師という立場で関わる者と臨床の場にあっても医師ではない者としての立場で関わることの差異を少し感じていましたが、改めて読み返すとともに、「新増補版」として再刊された本「心の傷を癒やすということ」を購入してしまいました。(原著になかった著述や追悼の辞などが掲載されているということだったので)現在は矮小化されやすい「心のケア」ということに対して、本当はこういうことなんだという生々しさをある意味淡々と記していることに、かえって対人援助の臨床の本質を見たような気がしました。そして、不覚にも何度も泪を落としてしまいました。
ドラマでは、主人公の安和隆(柄本佑)が「心の傷を癒やすということ・・・誰も独りぼっちにさせへん、てことや」と呟く場面がありました。原著にはないのですが、まさに、そのとおりというセリフでした。
介護が必要になっている人、その家族、それぞれが直面している生き辛さや困難に対して、私たちは何をすればよいのでしょうか。
介護サービスを適当に組み合わせて報酬化するということを誘導しているように思える現状の政策にあっても、私たちの使命は、人々の絶望を希望に、そして、希望を光にしていくことではないでしょうか。
私は忘れていないよ、想っているよ、そばにいるよという応答を、私たちは大切にしていかなければならないと思っています。
みなさんと共にいることで、50年前に私自身が旅立った原点を忘れないようにしてくれていると感謝しています。
ところで、新型コロナウィルス対応については、今までは非日常でしたが、今後はこの感染症がある生活が日常となっていきます。「未知への恐怖」に右往左往するのではなく、専門的知見をもって対応していかなければなりません。
研究会については、行政措置により会場が使用できないことがあれば、ブログまたはグループLINEでお知らせしますが、冷静に対応していきたいと思います。
<4月研究会>
日時: 4月4日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<5月研究会>
日時: 5月16日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第2研修室(3階)
<6月研究会>
日時: 6月20日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第2研修室(3階)
<7月研究会>
お休みです。
<8月研究会>
日時: 8月1日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<9月研究会>
日時: 9月19日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<10月研究会>
日時: 10月17日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第1研修室(3階)
<11月研究会>
日時: 11月14日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<12月研究会>
日時: 12月12日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<2021年1月研究会>
日時: 1月16日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<2021年2月研究会>
日時: 2月13日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(4階)
<2021年3月研究会>
日時: 3月20日(土)13:30〜16:30
会場: 名古屋国際センター 第3研修室(3階)
<重要>4月4日(土)研究会を中止します! ― 2020年03月27日 10時32分28秒
新型コロナウィルスの拡がりで世界中が危険な状況になっていますが、世界の感染症研究者だけでなく、社会学者、政治学者、心理学者などは自国政府や国民の対応だけでなく、日本政府などの対応にも関心があるようです。先進諸国の中で感染者数が極めて低い理由は何故かということのようです。
3月中旬までの日本における対応は疫学的対応ではなく政治的対応という感がありましたが、そのことが今後の問題となってはね返ってくる(はね返ってきている)ようです。
1か月余りの「自粛」は国民の「慣れ」を引き起こしているのではないかという論説もありますが、3月下旬から4月初旬は新入学や就職、転勤など例年は国民の大移動の時期ですし、それにともなう多くの大小イベントも行われます。
個人レベルでの感染症対策も緩む時期だからこそ、「自分が気をつける」ことだけでは対応できない事態が多く予想されます。自分が感染するということは心配ですし、防がなければなりませんが、それ以上に、自分が他の人を危険にさらすようなことになってしまうことは絶対に避けなければなりません。私たちの日常はリスクの中に常にありますし、リスクを恐れているだけでは日常の生活(社会との関わりも含めた)はできませんし、さらに、専門職である皆さんは日々の生活にあるリスクだけでなく、人々の生活におけるリスクを軽減していく重要なミッションがあります。
3月時点では根拠が明確でない強制的な「同調圧力」が蔓延していましたが、4月年度初め前後の時期だからこその適切な判断と対応が必要です。
そこで、4月4日(土)の研究会は中止とします。5月以降の研究会は開催を前提にしていますが、状況の推移と的確な情報に基づいて判断していきます。
「未知への恐怖」を恐れるのではなく、「適切な判断」を妨げることのないように、「正しく恐れ」、「正しく判断」することに心がけましょう。
なお、グループLINEでもお知らせしますが、研究会関係者への周知をお願いします。
3月中旬までの日本における対応は疫学的対応ではなく政治的対応という感がありましたが、そのことが今後の問題となってはね返ってくる(はね返ってきている)ようです。
1か月余りの「自粛」は国民の「慣れ」を引き起こしているのではないかという論説もありますが、3月下旬から4月初旬は新入学や就職、転勤など例年は国民の大移動の時期ですし、それにともなう多くの大小イベントも行われます。
個人レベルでの感染症対策も緩む時期だからこそ、「自分が気をつける」ことだけでは対応できない事態が多く予想されます。自分が感染するということは心配ですし、防がなければなりませんが、それ以上に、自分が他の人を危険にさらすようなことになってしまうことは絶対に避けなければなりません。私たちの日常はリスクの中に常にありますし、リスクを恐れているだけでは日常の生活(社会との関わりも含めた)はできませんし、さらに、専門職である皆さんは日々の生活にあるリスクだけでなく、人々の生活におけるリスクを軽減していく重要なミッションがあります。
3月時点では根拠が明確でない強制的な「同調圧力」が蔓延していましたが、4月年度初め前後の時期だからこその適切な判断と対応が必要です。
そこで、4月4日(土)の研究会は中止とします。5月以降の研究会は開催を前提にしていますが、状況の推移と的確な情報に基づいて判断していきます。
「未知への恐怖」を恐れるのではなく、「適切な判断」を妨げることのないように、「正しく恐れ」、「正しく判断」することに心がけましょう。
なお、グループLINEでもお知らせしますが、研究会関係者への周知をお願いします。
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